地域に寄り添う新聞社 ー高知新聞社の誇りとやりがいー

高知新聞社とは

株式会社高知新聞社(以下、高知新聞社)は高知に根ざす地元メディアです。高知県が抱える様々な課題と向き合い、持続可能な地域社会を創っていくために、新聞発行業を柱に、県民とつながる取り組みを続けています。

高知新聞社には、主に新聞制作を行う「統合編集本部」のほか、「地域読者局」、「営業局」、「総務局」などがあり、新聞事業を支える様々な業務が行われています。

 


若手社員から見た高知新聞社

——株式会社高知新聞社 総務局総務部 千葉優香さま、
  地域読者局販売促進部岡村奎翔さまインタビュー

最初に、高知新聞社の若手社員である、総務局総務部入社3年目の千葉優香さまと地域読者局販売促進部の入社4年目岡村奎翔さまからお話を伺いました。

小さな頃から身近だった「新聞」が、いつの間にか自分の人生の一部に。そんな、仕事としての新聞社、そして社内のリアルな雰囲気とは?現場の声から、高知新聞社の魅力を深掘りします。

 

 

憧れた「載る側」から「届ける側」へ

「部活で結果を出すと新聞に載るんですよね。それを見た地域の人たちが『見たよ!』って声をかけてくれる。それが本当に嬉しくて。」そう語るのは岡村さま。

四万十市出身の岡村さまにとって、高知新聞は“日常”の一部。高校生の頃に感じた地域と人をつなぐ仕事が素敵だと考え、メディア・新聞社で働きたいと思っていたそうです。

現在は、自らが新聞を届ける側になることで地域と人をつなぐ役割を担われています。

 

読む側から、支える側へ。事務職として新聞に関わるという選択

一方、学生時代に高知県立大学の夜間課程に通いながら、日中は高知新聞社で臨時職員として掲載する記事をデータベース化する業務に取り組んでいた千葉さま。

「新聞って“モノ”としてすごく大事だなと感じていたんです。表に出る仕事じゃなくても、新聞発行のどこかに関われたら、と思って正社員を目指しました。記者や営業職ではなく、事務職として新聞に関わる。そんな裏方の視点からでも、地域と情報をつなぐ新聞という媒体への誇りは強く感じられます。」と話します。

 

 

社内はまるで”異文化交流”?各部署の個性が光る場所

お二人からは、社内の雰囲気についてもお伺いしました。

「記者と営業、総務…考え方も働き方も全然違うんですよ。社内で異文化交流してるみたいで面白いです。」そう語るのは千葉さま。

臨時職員として働いていた時は、毎日決められた業務をして他部署の人との交流が少なかったようですが、正社員になったことから一転して様々な人と関わるようになり多様性を実感したそうです。

岡村さまも「自分の部署以外の人ともよく話すけど、本当にプロフェッショナルが多い。社内でも一本筋が通った人が多くて刺激を受ける」と語ります。

 

福利厚生も、職場環境も“若手にやさしい”

「特にありがたいのは奨学金の支援制度ですね。入社してまだ収入が安定しない時期に、しっかりサポートしてもらえるのは心強いです。」他にも、きれいなオフィスや駅近の立地といった環境面も働きやすさに直結します。

また、職場では先輩方が面倒を見てくれる環境になっていることから、父・母のような存在が多く安心して仕事に取り組むことができるのも若手に優しい環境であるようです。

 

 

“高知新聞に入ってよかった”と実感する瞬間

「会社のPRがうまくいって、採用につながったときはすごく自信になります」、「自分がした仕事に興味を持ってもらえたとき、結果がちゃんと見えるのが嬉しい」、それぞれの立場で“新聞”に関わる2人の言葉から見えるのは、共通の「やりがい」でした。

新聞社の仕事というと「記事を書く」、「情報を伝える」というイメージが強いですが、そこに関わるすべての人が、それぞれの形で地域とつながっています。地域の人に支えられ、地域の人を支える。熱にあふれたお話を聞くことができました。

お話を聞いて、高知県全域に届けられる高知新聞に関わっているということが誇りでもあり、原動力になっているように感じました。

 

 


採用担当・記者から見る高知新聞社とは

——株式会社高知新聞社 総務局次長 池一宏さま

採用担当者の総務局次長 池一宏さまからもお話をお伺いしました。

 

現場を知るからこそ、伝えられることがあります

4月に総務部に異動されたばかりの池さまは、これまで30年間、記者として現場で活躍されてきました。

「当社には約280人の社員がいて、そのうち約70人が外勤の記者です。編集に関わる人を合わせると、120人ほどになります。つまり、社員の半分近くが編集業務に関わっているんですね。」

採用活動では、編集職志望の学生が多いこともあり、現場経験のある自分が話すことで、よりリアルで納得感のある説明ができていると感じているそうです。

 

 

求めるのは、飽くなき好奇心とフットワーク

新聞社が求める人材の姿として、「何より大切にしてほしいのは、好奇心です。目の前の出来事に対して『なぜ?』と疑問を持ち、それを深掘りする姿勢。そして、それを実現するためには、記者であっても営業職であっても軽やかなフットワークが必要です。」と語ります。

記者の場合、事件や事故、政治、経済、スポーツ、文化など、取材のジャンルは多岐にわたりますが、共通して求められるのは「課題を見つけ、深掘りし、伝えようとする姿勢。」だといいます。

「誠実さも、体力も、必要になりますが、根底には“知りたい”という気持ちと、“社会を少しでも良くしたい”という思いが大事だと感じています。」

新聞記事を書くことの魅力について、「私たちが書かなければ、誰も知らないままで終わってしまうことがあります。」こうした情報を伝えていくことに意義を見出せる方には新聞記者を目指して欲しいと語ります。

  

若いうちから挑戦できる社風があります

高知新聞社では、若い記者にも裁量を与える風土があります。入社1〜2年目でも、社会問題を扱う連載記事を任されることもあるそうです。

「長い記事を書くためには、しっかりとした取材と構成力が求められます。その過程で、人との向き合い方や、情報の深め方を学んでいく。経験を積み重ねることで、自信や技術が育っていくんです。」

現場では「とにかくやってみろ」と背中を押してくれる先輩が多く、若手の成長を後押しする文化があるのも特徴です。

 

 

デジタル化に向けて、若い感性に期待しています

現在、高知新聞社が取り組んでいる大きなテーマの一つが“デジタル化”です。

「紙だけでは若い人に読んでもらえない時代です。デジタルの世界で、どのように存在感を発揮するかが問われています。そこで、若い世代の感性に期待しているんです 。」

新聞社としての使命は守りながらも、ウェブやSNSでの発信力を高めていくことが、これからの課題だといいます。

 

 

学生に伝えたいこと:「もっと遊んで、引き出しを増やして」

最後に、学生へのアドバイスをいただきました。

「今の学生は本当に優秀です。でも、もっと遊んだらいいのに、と思うこともあります。旅でも、バイトでも、何でもいいので、“これ、楽しかった!”という経験をたくさんしてほしいです。」

池さまからは、就職のためというよりも学生時代に様々なことに取り組み、人としての魅力を磨き、学業だけでなく、自分の引き出しを増やす大切さについてもお話をいただきました。

 


地域と人をつなぐ力を信じて-高知新聞編集局長に聞く、地方紙のこれから-

——株式会社高知新聞社 常務取締役総合編集本部コンテンツ編集局長 石川浩之さまインタビュー

最後に、常務取締役総合編集本部コンテンツ編集局長 石川浩之さまにお話を伺いました。
インタビューでは、地方紙としての使命や、変化する時代に向き合う思いをお話しくださいました。

 

 

地域に根ざした新聞社の役割

石川さまは、新聞社の役割の1つは、「人と人とをつなぐこと」にあるといいます。人口減少が進む中、地域のつながりが希薄になっていくことを危惧しつつ、「64万人の高知県民がそれぞれの接点を増やしていけば、地域の活力は維持できるはず」と力強く語ってくださいました。

高知新聞社は、報道にとどまらず、人生の様々な場面に寄り添う取り組みを続けています。例えば、「赤ちゃん会」や「こども県展」、「金婚式」など、長年にわたって地域の人々とともに歩んできました。さらに、東日本大震災を契機にスタートした防災プロジェクト「いのぐ」では、命を守るための学びの場を提供しています。

 

高知新聞社が取り組む新しい新聞の姿

高知新聞社では、近年「デジタル化」に力を入れているそうです。紙の新聞の読者が減る一方で、アプリやウェブで記事を手軽に読む若者が増えていることを受け、「若い世代とどうつながるかを本気で考えなければ未来はありません。」と強調されていました。

スマートフォンで読みやすいニュースの見せ方や、県外在住者への情報発信も、今後の重点的な戦略として進めています。

一方で、新聞社としての社会的役割も大切にされています。記者として最も印象に残っている出来事を尋ねると、新人時代に経験した「事件や事故で亡くなった方の遺族から顔写真をお借りする」経験を挙げてくださいました。「非常に辛い経験でしたが、それがあったからこそ、人の命に向き合う姿勢や仕事に対する責任感が育まれました。」と話してくださいました。

 

 

高知新聞社が求める人材

高知新聞社が求める人材について、「金太郎飴のように同じ人ばかりでは組織は活性化しません。多様な個性と好奇心・共感力のある人を歓迎します。」と話します。

地元出身者の視点も強みですが、県外出身者ならではの気づきも記事に深みをもたらすために大切にしているようです。また、記事に記者名を明記する「署名記事」の導入など、記者の個性を引き立てる紙面づくりにも取り組んでいます。

高知新聞PLUSの「記事検索」機能を使って好きな記者の記事を追いかけられるのは、私達大学生にとって「推し記者」を見つけるような感覚を得られる仕組みになっていると思いました。記事の内容だけでなく“書き手”にも注目が集まり、読者と記者の距離がぐっと近づいているように思いました。

 

 

高知新聞の未来と新聞が持つミッション

今後の展開としては、子育て応援ウェブメディア「ココハレ」の強化や、有料会員制のコンテンツ配信、サブスクリプション型の収益モデルの確立を模索しているそうです。また、高知ライフについて情報を届ける「ニュニュ」というスマホアプリもスタートしています。

「紙でもデジタルでも、媒体が変わっても“正しい情報を届ける”という信念は変わりません」と語る言葉に、愛され続けることのできる地方紙としての覚悟が感じられました。

インタビューの最後、石川さまは「記者という仕事は色々な人の話を聞けて、自分も豊かになれる。そして、書いた記事で誰かの暮らしも少しは豊かになるかもしれない。」と穏やかに語ってくださいました。地域と共にあり続け、未来を見つめて進んでいく、その姿勢が、高知新聞の未来を灯していくのだと感じました。

 


高知新聞社は、地元に根ざすメディアでありながら、若手の挑戦を後押しし、多様な個性を活かす土壌があります。高知新聞社の皆さまの言葉からは、「地域に貢献したい」というまっすぐな思いと、記者として、社員としての誇りがにじみ出ていました。

情報の届け方が変わっていく時代だからこそ、変わらぬ使命を胸に、地域と人をつなぐ。そんな高知新聞社の姿勢に、未来のメディアのかたちと、働く人々の熱量を強く感じました。

詳しくは高知新聞社さんのHPをチェック!

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